

ITエンジニアになるにはSIerから始める選択肢もあるそうだけど・・
ITエンジニアとして転職を考える時に多くの方が事業会社(自社開発)を目指しますが、これはかなりハードルが高い選択肢です。
別の記事でも触れたようにその原因はいくつかあるのですが、未経験者が事業会社へ転職が難しいと言われる理由の大きなものとしては
わざわざコストのかかる未経験者を採用する理由(特に中小規模の事業会社は資金力や余裕)がないので、即戦力がどうかの一点で判断されることがほとんど
だからです。
未経験からでもITエンジニアになれる方法かないのか?と悩める方に僕がおすすめしたいのは、大手SIerグループ子会社への転職という選択肢があります。



でもSIerやSESってブラックなイメージが散見されるし・・
たしかに、Xなどを見ていてもSIerやSESへの転職は一般的にはあまり良い噂を聞かないという体感はあります。
しかし、ちゃんと会社を調べた上で企業をしっかり選べば問題ありません。



とくにメーカー系の大手SIerグループ子会社などは最近では労働環境もよく、福利厚生も親会社相当のことも少なくないためおすすめです。
この記事では、SIerの概要や大手SIerグループの子会社に転職するメリット・デメリット、SIerが悪く言われる理由や実情、転職時の注意点などについて解説します。
転職活動は自己分析や企業研究など、ひとりで進めるには大変なことが少なくありません。
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そもそもSIerとは何なのか
まずは、SIerという企業では何をするのかについて見ていきましょう。
SIerはインテグレーター(System Integrator)の略称で、企業のシステム開発や運用保守を請け負う役割です。
その具体的な仕事内容は、おもにユーザー企業のニーズをヒアリングして要件を定義した後にシステムの設計や開発、運用までを一貫してサポートしています。
ITエンジニアの専門性によって担当する工程は異なりますが、開発工程を担当する場合は通常、セキュリティ上の理由からユーザー企業に常駐することが多いです。
また、上流工程を担当するエンジニアほど高い年収を得られる傾向があります。



SIerでも大手なら平均年収1,000万円超えのところもあるらしいな。
SIerの種類には何がある?
SIerはその成り立ちによって、おもに3つの種類に分類されます。
- メーカー系SIer
- 日立製作所、NEC、富士通など
- ユーザー系SIer
- NTTデータ、野村総合研究所(NRI)、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)など
- 独立系SIer
- 大塚商会、オービック、IIJなど
メーカー系SIerはもともとハードウェア製造を手がけていたメーカーのシステム部門が子会社として独立した企業で、日立製作所NEC、富士通などがあります。
ユーザー系SIerは商社や金融、製造系大企業のシステム部門が独立した企業で、親会社のシステム開発や業界ノウハウを活かした事業を展開しているのが特徴です。
独立系SIerは、特定の親会社やグループを持たずにSI事業に特化した企業で柔軟な提案力が持ち味です。
メーカー系SIerやユーザー系SIerのように親会社が存在しないので、さまざまな業界からの案件を自由に引き受けられる強みもあります。



これ以外にも、ITコンサルティング中心のコンサル系SIerや海外企業が日本法人を設立した外資系SIerなどもありますね。
SIer・SES・事業会社とはどう違う?
SIerと似ている言葉としてSES(システムエンジニアリングサービス)がありますが、その大きな違いとしては提供する内容です。
SIerはシステム全体を提供するのに対して、SESは技術者を派遣するサービスです。
SIerとSESの違いについて
SIer | SES | |
提供サービス | 企業単位 | 技術者 |
活用目的 | プロジェクト全体 | スポット対応 |
契約形態 | 請負契約 | 準委任契約 |
報酬 | 納品されたシステムや サービスに対して発生 | 技術者の業務に対して発生 |
また、事業会社は自社のサービスを独自に開発する企業で即戦力のITエンジニアを求める傾向があります。
この中ではSESが未経験者でも採用されやすくスキルの習得に適していますが、プロジェクトによって労働環境が変動しやすいはデメリットです。
事業会社は特定のプロダクトに特化していることが多いため、幅広いスキル習得を望む人には向いていない場合もあります。



SIerとSESでクライアントのシステム開発をサポートするのは同じだけど、関わる範囲がプロジェクトとスポットで違う感じかな・・
SIerの基本知識がわかったところで、次では、僕が実際に所属していた大手SIerグループ子会社が一体どんなところなのかについて解説します。
大手SIerのグループ子会社とはどのような会社か
僕は新卒の時にいわゆる大手SIerのグループ子会社にいました。
ここで言う大手SIerグループ子会社とは、たとえば
- 富士通
- 日立製作所
- NEC
- NTTデータ
などのグループ子会社のことを指しています。
親会社でも当然SIerとしての事業を行ってはいるのですが、どちらかと言うとプロジェクト内でのプロジェクトマネージャーの立場を担うことが多いです。
現場でエンジニアとして動くのはおもにグループ子会社やその他SES会社のメンバー、または業務委託のメンバーが中心となります。



SIerでも大手と中堅でシステム開発のどの工程に携わるのかが変わる。上流工程を大手が、下流工程を中堅や零細のSIerが担う感じだよな。
大手SIerのグループ子会社に入るメリット・デメリット
僕が実際に新卒で入って感じたメリット・デメリットはそれぞれ下記になります。
メリットの大きなところとしては親会社と同じように手厚い福利厚生が受けられたり権利が守られていたり、社会人としての信用が得られることです。



なおかつ、採用のハードルも比較的低いのもありがたいところでした。
その反面デメリットとしては、いわゆるメガベンチャーやスタートアップなど本格的なテック系の企業と比べるとITエンジニアのレベルはそこまで高くない印象です。
また、以前と比べるとだいぶ良くはなっているとは思いますが、仕事で使う技術レベルも古い傾向があります。
SIerはやめた方が良いのか
未経験からITエンジニアになるために僕がおすすめする大手SIerのグループ子会社への転職ですが、X などの一部界隈では昔から
フリーランス >>> 事業会社(自社開発)>> SIer > SES
といった図式がささやかれています。



たしかに。俺も転生する際にこういった投稿を見てSIerやSESってヤバいところが多いのかな?って正直思っていたわ・・
僕個人としては、SIerやSESという括りというよりは
- 商流
- 会社
- プロジェクト
- 立ち位置
に依存する(次第な)ところが多いかなといった印象なのですが、SIerはやめた方が良いと言われる理由について思うところをまとめてみました。
SIerがあまり良く言われない理由とは?
SIerやSESがこのように言われるのは
劣悪な労働環境や多重下請け構造など = 負のイメージが根強く残っている
ためであると思われます。
SIerやSESの負のイメージの代表例
- 長時間労働
- 給与水準が低い
- 技術力の低さ
- 客先常駐
まず、SIerの仕事はプロジェクトの締め切りや予期せぬトラブルになどによって長時間労働になりがちです。
顧客からの急な要望や思いがけないバグの発生は夜遅くまで働く原因となり、このような労働環境はワークライフバランスを重視する人にとって敬遠される可能性があるでしょう。
次に、SIer業界は特に新卒エンジニアの給与は低い傾向にあり、年功序列の給与システムのためスキルや成果に応じた昇給が期待できないこともしばしばです。
また、SIer業界は急速な技術進化にもかかわらず他業界と比較して給与水準が低いことが人材流出の一因となっており、そのため一部の企業では技術力不足が指摘されています。
加えて、大手SIerの大量採用により技術スキルの低いITエンジニアが混在することがあり、プロジェクトの品質や納期に悪影響を及ぼすこともしばしばです。
最後に、SIerの仕事ではクライアントのオフィスで働く客先常駐が一般的で、業界や企業文化への適応を迫られるので精神的なストレスを感じることもあります。



たしかにSIerでも多重下請けで孫請けのようなところにいると、いつまで経っても技術スキルや待遇は積み上がっていかないですね・・
大手SIerのグループ子会社入った話
どのSIerに転職するのかは先述したように商流や会社、立ち位置などをしっかりと見据えた上で決める必要があるのですが、こちらでは実際に僕が入社した時のことをお話しします。
SIerグループ子会社でキャリアを始める
ウリの実体験 〜某H製作所のグループ子会社に入社した話〜
僕の新卒時代に、某H製作所のグループ子会社に入社をしました。
当時から親会社ポジションの会社には入れると思ってなかったため、新卒での就活時には大手SIerのグループ子会社を中心に就職面接を受けまくった記憶があります。
当時、某H製作所のグループ子会社は比較的採用のハードルが低く入社後の教育もしっかりしていて、僕の頃は大学4年生の10月から研修が始まりました。
僕は社会人になるまでVBSというスクリプト言語で簡単なバッチプログラムしか書いたことがなかったため、この研修は正直ありがたかったですね。



そっか・・大手SIerのグループ子会社だと研修もしっかりしているからほぼ未経験の状態でも安心して入社できそうだな・・



今回は新卒の話でしたが、転職でも大手SIerのグループ子会社に入るのはITエンジニアになる選択肢としてはおすすめの方法です。
最近色々と改善している大手SIerの仕事
ひと昔前ですと、大手SIerと聞くとすごく古い仕組みや銀行や官公庁のシステムだけ作っていると思う人も多いかと思いますが、実は最近ではいろいろなことに挑戦しているんです。
特に、パブリッククラウド(AWSやGoogle Cloud、Azureなど)が一般的に使われるようになってから、大手SIerやグループ子会社内でもそれらサービスなどを専門で導入・運用する部署を作っている会社もあります。
SIerはSESと比べると昔よりは会社の母体もしっかりしており、労働環境も良くなっています。
そのため、SIer企業でしっかりと基礎力を固めた上で自身のキャリアをしっかりと組み立てるのも選択肢のひとつとして有効でしょう。



SESでの立ち回りにはよく注意したいといけないけど、今の大手SIerやそのグループ子会社なら職場環境や待遇は割合よくなっているのかな。
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SIerへの転職で失敗しないコツ
大手SIerのグループ子会社含めSIer界隈の現状がわかったところで、こちらではSIerへの転職で失敗しないコツについていくつかまとめました。
SIerの得意ジャンルを理解する
SIer企業への転職を検討する際は、各SIer企業が得意とする業界や業種を十分に理解することが重要です。
たとえば、金融系SIerであれば銀行や証券会社のシステム開発をおもに手がけており、金融業界での実務経験や関連資格を持っていると大きなアドバンテージとなります。
自身のキャリアやスキルとSIerの得意分野が合致していれば、即戦力として評価される可能性が高まって転職後も活躍の場が広がるでしょう。



転職したいSIer企業やその親会社が作っているシステムやサービスがどのようなものなのかをチェックして見てみることが重要だな。
SIerの立ち位置を理解する
SIer企業の立ち位置は仕事内容や待遇に大きな影響を与え、元請けSIerは直接顧客と取引を行ってプロジェクト全体をマネジメントする立場にあり、主要取引先には多くの一般企業が名を連ねています。
その一方で、下請けSIerはIT企業との取引が中心で特定の工程を担当することが多くなります。
ただし、上流工程のみを手がけるSIerはITエンジニアとしてのキャリアを考えるとあまりおすすめはしません。
上流から下流まで幅広い工程に関われる環境の方が、よりITエンジニアとしての総合的なスキルアップが期待できるのもまた事実です。



待遇面なら上流工程をメインで担当する元請けが正解なのですが、エンジニアとしてのキャリアを考えるなら一概にそうとは言えません。
SIer企業を理解する
SIerはメーカー系やユーザー系、独立系など、その成り立ちによって企業文化や特色が大きく異なります。
メーカー系は安定性が高くてユーザー系は特定業界の専門性を活かせる環境が整っていますが、独立系は柔軟な案件対応が可能で幅広い業界経験を積むチャンスがあります。
キャリアプランや働き方の希望に合わせて、企業選びを慎重に進めることが転職成功の鍵となるでしょう。



SIerの各系統にあった戦略を立てるためには、JACリクルートメントなどの転職エージェントを使って進めるのがおすすめです。


まとめ|大手SIerのグループ子会社は未経験者の第一歩におすすめ
これまでSIerの概要や大手SIerのグループ子会社に入るメリット・デメリット、SIerがあまりよく言われない理由やSIer転職で失敗しないコツについて僕の実体験も交えて解説しました。
大手SIerのグループ子会社とはたとえば富士通や日立製作所、NECやNTTデータなどのグループ子会社を指しており、どちらかと言うとプロジェクト内でのプロジェクトマネージャーの立場を担うことが多いです。
大手SIerのグループ子会社で働くメリット・デメリットとしては下記があります。
また、X などの一部界隈では昔から
フリーランス >>> 事業会社(自社開発)>> SIer > SES
といった図式がささやかれていますが、僕の意見としてはSIerやSESという括りというよりは
商流や企業の特性、プロジェクトやその企業の立ち位置など
に依存する(次第な)ところが多いかなといった印象です。
そして、SIerへの転職で失敗しないコツは下記があります。



転職活動は自己分析や企業研究など、ひとりで進めるには時間がかかりますし大変なことが少なくありません。
そんな時はJACリクルートメントなどの転職エージェントを活用して進めるのが良いでしょう。
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