ITエンジニアになるのにデータ利活用の切り口からでもいけるの?
近年はビジネスで取り扱うデータが膨大になっており、そのデータを自社ビジネスの拡大や課題解決のために利用する流れがある中でこのように考えている方は多いのではないでしょうか。
未経験からITエンジニアになろうと考えた時に、僕が経験しておくと良いと思うもののひとつとしてデータ活用の仕組みづくりがあります。
今はIT系の仕事であるかに関わらず、必ず何らかのカタチでさまざまな業務のデータに触れることになります。
そのため普段から
- そのデータをいかに活用するか
- 活用するための仕組みを作るか
などについて具体的なイメージを持っておくことで、実務に活かせるものが増えるでしょう。
この記事では、データ利活用の概要や重要性、メリットや準備や導入する際に行うタスクリスト、キャリアパスなどを僕の経験も交えて解説します。
ぜひ、未経験からITエンジニアになりたいと考えている方は、転職する際の戦略のひとつとして参考にしてくださいね。
実務経験やスキルのない未経験からITエンジニアになるには、事前準備をしっかりと行い中長期的な戦略を立てて進めてくのが良いでしょう。
転職活動は自己分析や企業研究など、ひとりで進めるには大変なことが少なくありません。
そんな時はJACリクルートメントなどの転職エージェントを活用して進めるのがおすすめです。
JACリクルートメントの口コミや評価、使った所感をもっと知りたい方はこちらをご確認ください。
そもそもデジタル利活用ってなに?
デジタル利活用とは、企業や組織がデジタル技術とデータを戦略的に活用して業務の効率化や新たな価値創造を実現することをいいます。
具体的には
- 現状ビジネスがどうなっているのかを正確に把握する
- 客観的なデータをもとにして意思決定を行う
- 新たなビジネス戦略を立案する
などをイメージするとわかりやすいでしょう。
小さい会社で言うと、リスク管理やちょっとした業務改善もここに当てはまってくるかな。
実際に近年では、大企業の約9割、中小企業の半数以上がデジタル利活用に取り組んでおり、人手不足の解消やビジネス変革の推進に向けてますます注目を集めている取り組みです。
データ活用とデータ利活用の違いってなに?
そもそもデータ活用と利活用ってどう違うの?
同じように、どんな違いがあるのかと思っている方は少なくないのではないでしょうか。
カンタンにお伝えしますと下記となります。
- データ活用
- 自社に蓄積しているデータをビジネスに活かすこと
- データ利活用
- 新規・既存に関わらず、都度目的にあったデータ収集をしてビジネスに活かすこと
データ活用とデータ利活用は、似ているようで少し異なる概念です。
データ活用はおもに企業内にすでに存在するデータを活用することに重点を置いていまが、データ利活用はより戦略的なアプローチで
この経営課題を解決するためにどのようなデータが必要か?
という目的から逆算してデータを収集・分析しますので、データ利活用のほうが新規事業の開発やビジネスモデルの改善により効果的です。
目的に応じて必要なデータを見極めて収集・分析することで、具体的な成果につなげやすいという特徴がありますね。
ビジネスではデータを扱う業務がたくさんある
IT系の仕事に就いているかどうかに限らず、多くのビジネスにおいてデータを活用するシーンは多く存在します。
僕の経験も踏まえて、ジャンルごとに一例を下記にまとめてみました。
- 財務関連データ
- 売上高、利益率、コスト、キャッシュフローなど財務データ
- 予算実績の比較データ
- 部門別・商品別の収益性分析データ
- 顧客関連データ
- 顧客の購買履歴、購入頻度、購入金額
- 顧客満足度調査の結果
- 顧客の属性情報(年齢、性別、居住地など)
- 営業・販売データ
- 商品やサービスの販売実績
- 販売チャネル別の成果データ
- 営業担当者のパフォーマンスデータ
- マーケティングデータ
- ウェブサイトのアクセス解析データ
- 広告キャンペーンの効果測定データ
- ソーシャルメディアの反応データ
データを分析して読み解くこともそうですが、データ自体を集める仕組みや溜める仕組みなどを整えることも業務のひとつとして存在します。
たしかに。業務のジャンルごとにデータはどんどん溜まっていくので、バラバラに保存をしていくと連携もしにくくて大変だからな・・
データ利活用の概要がわかったところで、次ではなぜ、データ活用が今必要なのかについて解説しますので一緒に見ていきましょう。
なぜデータ利活用が必要なのか?
この疑問に関して、僕が業務をして行く中で感じたことについていくつかまとめました。
エクセル・Googleスプレッドシートでは限界
昨今では組織のデータ活用という観点では、データ基盤の構築やBIツールの活用などある程度データ活用に関する仕組みは自動化されているケースも少なくありません。
その一方で
- 組織内でデータ活用を推進したりその仕組みづくりを行ったりする担当部門やエンジニア
- アナリストが存在しない会社の場合、データをエクセルやスプレッドシートなどに整理してレポートとして社内やお客様向けに配信するような仕事
などをしている方もいると思われます。
上記のようなデータ集計などの作業はデータ量が多くなればなるほど作業に時間がかかってしまいまたミスも増えてしまいがちです。
そのため、組織としてのデータ活用戦略を固めた上でデータ集計作業についてはできる限り自動化すべきで、自動化するとともに多くの人がデータを活用しやすい環境づくりを整えることも重要です。
データが大量になると、エクセルやスプレッドシートの関数で処理をしていくのはミスをするリスクも高まりますし効率も悪くなります。
多くのデータは何らかのシステムから出力される
日々のビジネスで利用する各種データについては、多くのものが何らかの業務システムやSaaSサービスから出力されていることがほとんどです。
たとえば
- 財務系のデータであれば会計機能を持ったパッケージサービスやERP
- 営業関連のデータであればSFA
- マーケティング関連であれば、CRMやMA、広告系サービスのAPI
などが挙げられます。
これらのデータをデータウェアハウス(DWH)などに集約して使いやすいカタチに整えることができれば、組織としてデータ活用を進める上での第一歩となるでしょう。
実際にDWHを使った業務事例ってどんなものがあるのかな?
次の章で解説をしますので一緒に見ていきましょう。
DWHにデータを集約する仕組みを作ってみよう
大量のデータを扱う場合、必要なデータはBigQueryやSnowflakeのようなDWHサービスに格納することをおすすめします。
その際には、各クラウドサービス上にデータ連携用のサービス【Dataflow(Google Cloud)、Glue(AWS)など】が存在しますが、より効率的にデータ連携の仕組みを作るのであればSaaSサービスを活用するのが良いでしょう。
TROCCOやFivetranといったデータ連携用のサービスは非常に使い勝手がよくて無料プランもあります。
そのため、試しに何らかのデータソースからBigQuery、SnowflakeなどのDWHサービスにデータを連携して、それをLooker Studioなど無料で利用できるBIツールで可視化してみるところまでやってみましょう。
そうすれば、具体的なデータ活用のための基盤作りのイメージが掴みやすくなりますよ。
ウリが実際にデータ基盤を構築した話
僕がまだ会社員だった時代に、中途で入社した会社が社内にITエンジニアがひとりもいない環境だったので
んじゃ、自分でやりますか!
ということで、データ基盤を1から構築した時のことなどを備忘録として書き残したブログがあります。
このブログでは、ITエンジニアがいない組織で1からデータ基盤を構築するとなったときに
- 1からデータ基盤の構築をするに至った背景
- データ基盤構築に向けてやったことを順番に解説
- データ基盤を構築した後にやった取り組み
などを記載していますので、データ基盤を構築するってこんな感じなのかと参考にしていただけると嬉しいです。
僭越ながらこの件で登壇もしておりますので、動画で確認されたい方はリンク先のブログに動画もありますので参考にしてください。
動画ならサクッと確認できそう、観てみようかな。
スモールスタートを意識しよう
実際にデータ利活用をしようと考えたときに、まずは所属している企業の部署やチーム内などで試してみるのがおすすめです。
いきなり大規模なプロジェクトとして始めてしまうと、なかなか仕組みづくりまで着手するのに時間がかかってしまうことが少なくありません。
そのため、まずは自身で手を動かすことを優先させるために、スモールスタートで身の回りのデータの活用から進めると良いでしょう。
上記はあくまで最低限の仕組みづくりではありますが、これをさらに突き詰めていくといわゆるデータエンジニアやアナリティクスエンジニアといったカタチのキャリアに近付いていくことになります。
そっか。じゃあ書籍でも数冊読んで基礎から勉強してみようかな。
ウリがおすすめする学習素材について
ここで僕がデータ基盤を構築する際に参考にしたおすすめの書籍について紹介をしますので、良かったら参考にしてみてください。
「データエンジニアリング入門」については事前に基本的なクラウドの知識を身に付けておくとよりより効果的に学習を進められるでしょう。
データ利活用からのキャリアパス
未経験からデータ利活用という切り口でITエンジニアになろうとする場合、まずは今の部署で実績やスキルを積むことが結果的に近道となるでしょう。
理想的なのは、先でご紹介したように今の部署でデータ利活用に取り組んで実績を残すことです。
しかしながら・・
今勤めている職場環境では、実績を積めそうにない。どうしよう・・
ある程度の会社規模があっていろんな意味で余裕がないとなかなか難しい、むしろそういった中小規模の会社で頑張っている方の方が多いのではないでしょうか。
そんな場合はプライベートな時間で個人開発をして、その際の備忘録を技術ブログで公開していくのがおすすめです。
ITエンジニアが個人開発を行ったり技術ブログで発信をしていくメリットについて詳細をもっと知りたい方は、下記それぞれの記事をご確認ください。
このようにしてまずは実績を積むことにまずは集中してその後に
- 現職で異動などを駆使してキャリアチェンジする
- 今の職種をもとに転職、転職先でキャリアチェンジする
などの方法でキャリアチェンジをするのが良いでしょう。
未経験からITエンジニアになる場合の中長期的な戦略についてもっと知りたい方はこちらをご覧ください。
現職からの異動のパターンの場合、情報システム部門などへの転属が現実的なところでしょうか。
会社規模にもよりますが、特に中小企業の場合は人員も豊富ではないので「IT系に関する何でも屋」として使われることも少なくありません。
そのため、しっかりとしたキャリア設計を意識してビジョンなしに無駄に長居をしないように注意しましょう。
転職活動は自己分析や企業研究など、ひとりで考えて悩んでしまうことは少なくありません。
そんな時はJACリクルートメントなどの転職エージェントを利用するのがおすすめです。
JACリクルートメントを使ってみた所感や評価について詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
また、まずは転職をするパターンならSIerやSES、事業会社などで未経験もしくは微経験でもOKな企業に入って
- データエンジニア
- データアナリスト
- データサイエンティスト
などを2〜3年をかけて目指すカタチになります。
未経験や微経験でもOKな求人を探す場合でも、求人内容は千差万別ですし会社もたくさんありますので、やはりJACリクルートメントなどの転職エージェントを利用するのが良いでしょう。
総じて未経験からITエンジニアになるには、まずは今の環境で基礎を学びながら実績を積んで来るべき時に備えて準備をするのが大事ですね。
社内の課題解決の実績は評価されやすい
ここでもうひとつお伝えしたいのは、IT未経験でも
社内の課題解決の実績は転職面接においてとくに評価されやすい傾向にある
ということです。
よく転職で未経験からITエンジニアになりたい・・という方の話をよく聞いてみると
Progateをここ数年で2〜3周しているんだけど、なかなか良い企業から内定が貰えない
といった声を聞くことがあります。
あぁ・・頑張ってはいるんだろうけど、努力の方向性が間違っているケースのような気がするな・・
僕も会社員時代に採用官もしていたのでその経験でお伝えすると、たとえ未経験でも技術的な要素を使って課題解決した経験はとても評価されやすいです。
それはプログラムが書けるということよりも
- ユーザにヒアリングをして課題を聞き出す力
- その課題をトライアルアンドエラーで自分で解決する力
- 周囲と調整をしてプロジェクトをまとめる力
- その後もユーザーが使いやすいように改修に努める姿勢
- 一連の内容を自ら発信する力(ここ結構大事!)
などのことの方が、より評価に値すると考える企業が多いということです。
データ活用ではないですが、GASなどを使った業務効率化した実績でも採用面接時の良いアピール材料となります。
GASってどんなものなのか興味がある方はこちらの記事も参考にしてください。
まとめ|データ利活用で実績を積んでキャリアアップしよう
これまで、未経験からITエンジニアになるためにデータ利活用を使うという切り口で、その概要や必要性、キャリアパスなどを僕の体験談も交えて解説しました。
データ利活用とは
この経営課題を解決するためにどのようなデータが必要か?
という目的から逆算してデータを収集・分析するもので、データ活用と比べるとデータ利活用のほうが新規事業の開発やビジネスモデルの改善により効果的です。
データ利活用の第一歩としては、多くのデータをデータウェアハウス(DWH)などに集約して使いやすいカタチに整えることです。
そこでおすすめなのはTROCCOやFivetranといったデータ連携用のサービスで、非常に使い勝手がよくて無料プランもあるので良いでしょう。
また、データ利活用からという切り口で未経験からITエンジニアになるキャリアパスとしては、まずは今の環境で実績やスキルを積むことが結果的に近道となるでしょう。
まずは実績を積むことにまずは集中してその後に
- 現職で異動などを駆使してキャリアチェンジする
- 今の職種をもとに転職、転職先でキャリアチェンジする
などの方法でキャリアチェンジをするのが良いでしょう。
現職で異動するにしてもまず転職するにしても、しっかりとしたキャリア設計を考えて計画的に動くことが重要です。
転職活動は自己分析や企業研究など、ひとりで進めるには大変なことが少なくありません。
そんな時はJACリクルートメントなどの転職エージェントを活用して進めるのがおすすめです。
JACリクルートメントの使った感想や口コミや評価をもっと知りたい方はこちらをご覧ください。