未経験からITエンジニアになるには何から学習していけばいい?
技術トレンドが目まぐるしいIT界隈において、プログラミング言語や技術など学ぶことが多い中でこのように考えている方は多いのではないでしょうか。
未経験からITエンジニアとくにWeb系のエンジニアを目指している人は、まずはWebアプリケーション開発を中心に学習している人が多い印象です。
しかし、実務の中で経験を積まないうちはできることが限られてしまうことが少なくありません。
ただ言い換えれば、実務経験が積めないこの期間にいかに自分にとって効果的なものをインプット・アウトプットしていけるかでライバルと差がつくのもまた、事実です。
そこで僕がこの時期に学習するのにおすすめしたいのが、さまざまなクラウドサービスへの理解です。
総務省の「通信利用動向調査(令和6年版)」の調査によると、企業におけるクラウドサービスの利用状況は77.7%と8割近くとなっており企業規模にかかわらず必須ツールだと言えるでしょう。
そこでこの記事では、クラウドサービスの概要や最低限身に付けておくべきこと、勉強する手順やポイントなどを画像付きでわかりやすく解説します。
クラウドサービスを使いこなせるようになると今後のキャリアアップに大いに役に立つので、ぜひこの記事を読みながら実際に触ってみてくださいね。
今や必須のクラウドサービス
総務省の「通信利用動向調査(令和6年版)」の調査によりますと、2023年度においては
- 全体的に利用している:50.6%
- 一部の事業又は部門で利用している:27.1%
となっており、国内企業の約8割がクラウドサービスを利用しているという状況です。
また、「利用をしていないが、今後利用する予定がある」企業を含めると85.4%となり、もはや企業でクラウドサービスを利用するのは当たり前の光景です。
昨今では、非常に多くのプロダクトが
などのパブリッククラウドサービス上で動いています。
クラウドサービスというとインフラやSREが触るものだという印象を持っている人もいるかもしれませんが、昨今では自身の専門領域問わず何らかのカタチでクラウドサービスを利用することになります。
そのため、未経験ITエンジニアでもAWSやGoogle Cloudなどのサービスについて、最低限の理解はしておいた方が良いでしょう。
たしかに。俺がいるような10人ちょっとの小さな会社でも、OneDriveやGoogleドライブ、Fileforceとか結構使っているもんな・・
クラウドサービスに触る前の基礎知識
知識がないまま触ってみるのも良いのですが、最低限の前提知識を事前に把握しておくことでより理解が深まるのでおすすめです。
ということで、簡単に各項目におけるポイントをまとめました。
- クラウドサービスはインターネットで必要な機能やリソースを提供する仕組み
- クラウドサービスはおもににSaaS、PaaS、IaaSの3種類に分類される
各ポイントの詳細について見ていきましょう!
クラウドサービスとは?
クラウドサービスは、インターネットを通じて必要な機能やリソースを提供する仕組みで、パソコンやスマートフォンがあれば場所や時間を問わずサービスを利用できるのが特徴です。
たとえば、メールやファイル共有、業務用ソフトウェアなど、さまざまなサービスをオンラインで利用することができます。
これによって高価な機器の購入や複雑なシステム管理が不要となり、コストの削減や業務の効率化を実現できるようになりました。
空にある雲(クラウド)のようにどこからでもアクセスできることから、この名前の由来と言われています。
クラウドの種類について
クラウドサービスはおもに
- SaaS(Software as a Service)
- PaaS(Platform as a Service)
- IaaS(Infrastructureas a Service)
の3種類に分類されています。
SaaSはクラウドで提供されるソフトウェアで、Gmailなどのメールサービスやブログサービス、Salesforceなどのサービスがあり、すぐに使えるアプリケーションを提供するサービスになります。
PaaSはGoogle App EngineやMicrosoft Azureなど、システム開発に必要な環境を提供するサービスで開発者向けのプラットフォームとして活用されているのが特徴です。
IaaSはGoogle Computer EngineやAmazon Elastic Compute Cloudなど、サーバーやストレージなどのインフラを提供するサービスで、必要に応じて柔軟にリソースを調整できます。
それぞれのサービスは用途に応じて選択することができ、企業の規模やニーズに合わせて最適なものを選ぶようにしましょう。
手軽に使うならSaaS、サーバーやセキュリティ全般を見直したい場合はIaaS、そこまでではない場合はPaaSといった感じかな。
クラウドサービスの概要がざっくりと理解できたところで、次からは実際に手を動かしてみよう!ということでGoogle Cloudをベースに解説します。
まずはGoogle Cloudを触ってみよう!
まずはAWSやGoogle Cloudのアカウントを作成して、実際に何らかのサービスを触ってみるのが良いでしょう。
Google Cloudドキュメント内のクイックスタートがとてもわかりやすいので、今回はこのドキュメントを参考に自身で開発したWebアプリケーションをCloud Runにデプロイしてみます。
ドキュメントの手順に沿って上から進めていくと、Cloud Run上でWebアプリケーションが起動したことになります。
AWSやAzureでも、公式ドキュメントや技術ブログなどにそれぞれのサービスの使い方などがまとめられているので参考にするのがおすすめです。
おおっ、これなら俺でも始められそうだ。やってみよう!
クラウドサービスを学ぶためのおすすめステップ
参考までに僕の経験も踏まえて、こういったふうに学習を進めていけばいいなというステップについてまとめました。
下記ステップはAWSやGoogle Cloudなどの具体的なサービス名を当てはめながらイメージするとわかりやすいです。
実際にビジネス現場での活用事例を見てみるとイメージしやすい
クラウドサービス各社から公式ドキュメントやトレーニングプログラムがあるので活用しよう
他のクラウドサービスとの比較や料金体系、上限値・下限値など、気になることを調べて理解を深める
実際にサービスに触れていくうちに出てきた課題についても調べていって知見を広げる
公式サイトや公式Xなどの投稿を確認して最新情報やトレンドをキャッチする
これまで学んだ基礎知識をブログなどにアップしながら中級レベルの学習内容に移行する
なるほど。まずは概要を体系的に理解して、それから各サービスの詳細を把握して最後にプラスαを付け加える感じなんだな。
はじめに全体像を理解しないと木を見て森を見ずな状態になってしまうので、まずは体系的に把握することは大事ですね。
クラウドサービスの学習手順をお伝えしたところで、次では、もう少し詳しくそれぞれのステップで具体的にどんな内容を学習すればいいのかについて補足します。
クラウドサービス学習の際に押さえたいポイント
AWSを始め、それぞれのクラウドサービスでは非常に多くのサービスが存在します。
まずは、以下のような基本的な部分から押さえていくのが良いでしょう。
基本的な概念
- クラウドコンピューティングの基本
- IaaS、PaaS、SaaSの違い
- パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドの特徴
- オンプレミスとクラウドの違い
- クラウドのメリット・デメリット
- ネットワークの基礎
- VPC(仮想プライベートクラウド)の概念
- サブネットの考え方
- ルーティング
- セキュリティグループとファイアウォール
- DNSの基本
- セキュリティの基礎
- IAM(アイデンティティ管理)
- 認証と認可の違い
- SSL/TLSの基本
- 暗号化の種類(保管時、転送時)
基本知識を体系的に学習するならやっぱり、技術書を読むがいちばんやりやすいかな。スキマ時間とかに自分のペースで進めやすいし・・
やっぱり気になった時にすぐそのページを見て確認できるところが技術書最大の魅力なので、部屋がどんどん本だらけになりますね。
主要なクラウドサービス
- コンピューティング
- 仮想サーバー(EC2、Compute Engine)
- サーバーレス(Lambda、Cloud Functions)
- コンテナ(ECS、GKE)
- ストレージ
- オブジェクトストレージ(S3、Cloud Storage)
- ブロックストレージ(EBS、Persistent Disk)
- ファイルストレージ(EFS、Filestore)
- データベース
- RDBMSサービス(RDS、Cloud SQL)
- NoSQL(DynamoDB、Cloud Datastore)
- キャッシュ(ElastiCache、Memorystore)
実践的なスキル
- 基本的な構築・運用
- 仮想サーバーの起動と設定
- ネットワークの基本設定
- ストレージのアタッチと設定
- 簡単なWebアプリケーションのデプロイ
- 監視と運用
- 基本的なメトリクスの見方
- ログの確認方法
- アラートの設定
- コスト管理の基本
簡単なWebアプリケーションのデプロイは、各クラウドサービスの公式ドキュメントやトレーニングプログラムで効率よく進めましょう!
学習のアプローチ
- クラウドベンダーの学習リソース活用
- ハンズオン実習
- 無料枠を活用した実践
- チュートリアルの実施
- サンプルアプリケーションの構築
- 資格取得
ハンズオン実習ってどんなもの?
文字通り「手を使って」実際に操作や実践を行いながら学ぶ方法のことで、深い理解や実践的なスキルを身に付けることができますね。
これらの基礎を身につけた後に、より専門的な領域(DevOpsやセキュリティ、アーキテクチャ設計など)を学ぶのも良いでしょう。
また、実際の開発や運用を想定したプロジェクトを自分で作ってみることも理解を深める上では効果的です。
おすすめのクラウドサービス学習方法
記事の中でいくつかおすすめのWeb学習コンテンツについて触れていますが、上記以外におすすめしたいものがこちらです。
Udemyは2009年にアメリカで始まった世界最大規模の動画学習プラットフォームで、6,200万人以上のユーザーのうち日本ユーザーは130万人以上で、公開されているコース数が21万以上にのぼります。
Udemyは頻繁にセールをやっており、通常だと1万円以上する講座が9割値引きで1,000円台で購入できることも少なくありません。
そんなに安いならお試しで購入してみるものアリだな!
会員登録をして一度購入すれば好きな時に視聴できるので、ぜひセール開催中に購入することをおすすめします。
技術ブログにアップすると学びが深くなる
クラウドサービス上での設定内容については一度行うとその後に同じ作業をすることは少ないため、自身の備忘録も含めてブログにアップしておくと良いでしょう。
自分が学習した内容を技術ブログなどで公開するメリットはたくさんあります。また
技術ブログを始めてみたいと思っているけれど具体的に何から始めればいいのかわからない・・
そう思っている方も多いのではないでしょうか。
ITエンジニアが技術ブログを始めるメリットや具体的なやり方について詳細を知りたい方は、こちらの記事を参照にしてください。
技術ブログのハードルも高いと感じるなら、Xの引用ツイートや投稿から始めてみるものいいかもしれません。
Xを活用するメリットや具体的な始め方についてもっと知りたい方は、こちらをご覧ください。
Xの投稿なら気軽に始められそう。やってみようかな🎵
また、同じ環境構築が簡単にできるように、Terraform(IaC用のサービス)などで自動化するための方法も押さえておくと良いでしょう。
新しいサービスに触れた経験は評価される
クラウドサービスについて最初はわからないことが多いとは思いますが、一旦は公式ドキュメントやITエンジニアさんの技術ブログなどを参考にして自身でサービスを立ち上げてみるのがおすすめです。
ITエンジニアは、第一線で長くやっていく上で技術的な探究心がとても重要になります。
また、採用する企業側としても常に新しい技術や未知の技術へのキャッチアップの姿勢があることを高く評価する傾向があるため、積極的に新しい技術に触れてみると良いでしょう。
僕も実際に採用官として求職者と対峙したことはありますが、そうした方はたしかに好印象ではありますね。
実際の転職活動では自己分析や企業研究など、ひとりで考えて悩んでしまうことは少なくありません。
そんな時はJACリクルートメントなどの転職エージェントを利用するのがおすすめです。
JACリクルートメントを使ってみた所感や評価について詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
まとめ|必修のクラウドサービスは触って覚えよう!
これまで未経験からITエンジニアになるためにクラウドサービスを学ぶのがおすすめだとした上で、クラウドサービスの概要や始め方、学習する際のポイントなどについて実体験を踏まえて解説しました。
クラウドサービスを理解するときに基礎知識を技術書やWebコンテンツで体系的に学ぶでいいとは思うのですが、実際に手を動かすことで真に自分のものになるのではないか、というのが僕の実感です。
そのため、僕のおすすめな学習方法としては
- クラウドベンダーの学習リソース活用
- ハンズオン実習
- 無料枠を活用した実践
- チュートリアルの実施
- サンプルアプリケーションの構築
- 資格取得
①のようなクラウドサービスの公式が出しているドキュメントやトレーニングプログラムをもとに、②のような課題を手を動かして覚えていくことです。
ちなみに、資格の勉強をすること自体を否定はしませんが、資格を取得していることだけで評価されることはあまりありませんね・・
とはいえ、採用する企業は新しい技術や未知の技術へのキャッチアップの姿勢があることは高く評価することが多いので、資格取得に関わらず積極的に新しい技術に触れてみましょう。
未経験からITエンジニアになるためには、中長期的な戦略を立てて進めてくのがおすすめです。
そんな時はJACリクルートメントなどの転職エージェントを活用して進めるのが良いでしょう。
JACリクルートメントの口コミや評価、使った所感をもっと知りたい方はこちらをご確認ください。