
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SAPエンジニアって未経験からなれるらしいけど、どうなの?
未経験からITエンジニアになる戦略として、このように考えている方も多いのではないでしょうか。
実際に数年前からXなどのSNS上において
フリーランスのSAPコンサルティングがもっとも稼げる時代が来る!
未経験から稼げるエンジニアになるならSAPを学ぼう!
といった少々煽り気味の投稿をしばしば見かけるようになりました。
未経験からITエンジニアを目指すための戦略のひとつとして、SAPエンジニアという選択肢があります。
SAPエンジニアの役割はさまざまで
- 業務プロセスでの課題を洗い出したり
- 課題解決をするための導入環境を作ったり
- DX化推進のための大規模なプロジェクトを進めたり
など、IT知識に加えて知識を土台としたマネジメント力やタスクの進捗管理能力も求められる仕事です。
この記事では、SAPエンジニアの概要や将来性、働く上でのメリット・デメリット、採用動向や未経験からのキャリアパスについての僕の経験を交えながら解説します。
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未経験からITエンジニアになる戦略のひとつとして、SAPエンジニアに興味がある方はぜひ参考にしてくださいね。
転職活動は自己分析や企業研究など、自分ひとりで進めるのは楽なコトではありません。
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SAPとは一体何なのか
まずは、そもそもSAPとは一体何なのかについて一緒に見ていきましょう。
SAPはドイツに本社を置くSAP社が開発・提供している企業向けソフトウェアの総称です。
出典:山之内謙太郎「SAP S/4HANA 導入と運用がしっかりわかる教科書」
とくに、企業の基幹システムとして知られるERP(統合基幹業務システム)分野での実績が際立っており、世界で約190か国ほど、34万社以上の企業が採用している実力派ソフトウェアです。
世界の大手企業の87%がSAPを利用している事実からもその信頼性の高さが伺え、最新の主力製品「SAP S/4HANA」は人工知能(AI)やIoT、ブロックチェーンなどの最新テクノロジーを積極的に取り入れています。
企業のDX推進を強力にサポートする存在としてますます注目を集めており、グローバルな展開と革新的な技術開発によってビジネスソフトウェア市場での揺るぎないポジションを確立しています。
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SAPは中小より大きめな規模の会社が導入しているイメージあるな。
SAPのおもな機能(モジュール)ってどんなもの?
SAPのおもな機能(モジュール)について、おもなものをまとめました。
- FI【Financial Accounting/財務会計】
会計帳簿の管理や財務諸表の作成など企業の財務会計業務を扱う - CO【Controlling/管理会計】
原価管理や予算管理、収益性分析など経営管理のための会計情報を提供する - MM【Materials Management/在庫購買管理】
在庫管理や購買発注、入出庫管理など物流の基幹業務を担当する - SD【Sales & Distribution/販売管理】
受注管理や出荷、請求など販売に関連する業務全般を扱う - PP【Production Planning/生産管理】
生産計画の立案や製造指示、進捗管理など製造業務を管理する - HR【Human Resources/人事管理】
従業員データ管理や給与計算、勤怠管理など人事関連業務を統合的に管理する
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SAPは、ERPという企業経営の効率化や企業情報を一元化することができるシステムをベースに作られたものですね。
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なるほど。他部署の業務をひとつのシステムに統合することで、部署間の壁を取り払ってスムーズな情報共有や意思決定ができるんだな。
SAPの基本機能がわかったところで、次では、SAPエンジニアとして具体的にどのような仕事をしていくのかについて解説します。
SAPエンジニアってどんな仕事をするの?
SAPエンジニアの具体的な業務内容の一例について、下記にまとめました。
- 要件定義・設計
- クライアントの業務フローを理解してSAP上での実現方法を提案
- システム構成の設計
- 業務要件に基づいたカスタマイズ設計
- システム開発・カスタマイズ
- SAPの標準機能のカスタマイズ設定
- ABAPによるプログラム開発(帳票や画面、バッチ処理など)
- 外部システムとのインターフェース開発
- ユーザー権限の設定
- テスト
- 単体テストの実施
- 結合テストの支援
- ユーザーテストのサポート
- テスト結果の分析と不具合修正
- 導入・移行支援
- マスターデータの移行
- トランザクションデータの移行
- 本番環境への切り替え作業
- ユーザートレーニングの実施
- 保守・運用
- システムの監視と性能管理
- 障害対応
- パッチ適用やバージョンアップ対応
- ユーザーからの問い合わせ対応
- プロジェクト管理(シニアエンジニアの場合)
- スケジュール管理
- チームメンバーのタスク管理
- クライアントとの調整
- 品質管理
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SAPエンジニアは、プログラミングを書くよりクライアントや他部署との折衝や調整作業の方がメインのような感じだな・・
これらの業務はプロジェクトの規模や段階、また担当するモジュール(FI、CO、MM、SDなど)によって具体的な内容が変わってきますし、経験や技術レベルによって担当する範囲も異なります。
また、ABAPというSAPに特化したプログラミング言語が存在して、業務ロジックの実装やデータ処理機能、SAPの標準機能では対応できない独自要件を実装する際にABAPで実装することも少なくはありません。
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しかし、基本的には業務要件の整理や運用、プロジェクトマネジメント寄りの仕事になりがちですね。
SAPの基本的な機能や具体的な仕事内容がわかったところで、SAPエンジニアは稼げるのか?といった疑問に答えながら解説します。
SAPエンジニアの待遇は結構良い
あくまでSAPという特定のサービスに閉じたカタチでの仕事となるため、一般的にはそこまで待遇の良いイメージはないのかもしれません。
しかし実際は、SAPエンジニアの待遇は他業種にと比べると良いと言えるでしょう。
出典:求人ボックス「SAPの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ 2024)」
給与所得者ひとり当たりの平均年収は461万円(国税庁調べ)とされているので、それと比べると80万円ほど多い金額です。
全体の給与幅を見てみると平均年収が407万〜1,146万円と幅が広いので、勤務先や実務経験、求められる技術スキルによっても大きな差があるのではないでしょうか。
またとくに、より上流のポジション(コンサル寄り)の場合では日本国内でも年収1,500万〜2,000万円もけっして夢ではありません。
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楽ではないだろうけど、頑張ればこのくらい稼げるなら夢はあるな。
SAPエンジニアの待遇が悪くないことやコンサルタントの方に進めばより稼げることがわかったところで、次ではSAPエンジニアの将来性について見ていきましょう。
SAPエンジニアの将来性は?
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僕個人の意見としては、独自言語であるABAPで構成されるSAPシステムの経験がある人は今後も希少価値が高いと思うので将来性は明るいと思います。
そのほかにも、SAPエンジニアの将来性が明るいと思うおもな要因は下記です。
クラウド化による初期投資の減少
SAPは近年AWSなどのクラウドサービスとの提携を進めており、システムのクラウド化を加速させています。
また、従来のオンプレミス型と比べて導入時の初期投資が大幅に抑えられるようになり、中小企業でもSAPの導入が現実的な選択肢となってきました。
総務省の調査によると企業のクラウドサービス利用率は令和5年度で77.7%に達しており、ハイブリッド型ERPとしてのSAP S/4HANAの需要は今後さらに高まるでしょう。
企業のグローバル化
参照:山之内謙太郎「SAP S/4HANA 導入と運用がしっかりわかる教科書」
SAPシステムは世界各国の言語や商習慣に対応した一元管理機能を備えており、グローバル展開を目指す企業にとって非常に魅力的なシステムです。
これからますます加速する企業のグローバル化に伴って、海外拠点との円滑な連携や統合的な業務管理を実現するため多くの企業がSAPの導入を検討するようになるでしょう。
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SAPは世界シェアも第2位なので、海外企業との仕事が増えていけば行くほどその分SAPエンジニアの需要は継続的に拡大していくよな・・
2025・2027年問題対策での需要増加
日本国内で2,000社以上が利用しているSAP ERPは今、大きな転換期を迎えています。
2025年末には「SAP ERP 6.0 Ehp5」以前バージョン、2027年末には「SAP ERP 6.0 Ehp6」以上バージョンの保守サポート終了により、多くの企業が最新版「SAP S/4HANA」への移行を迫られている状況です。
新システムは従来版から大幅に刷新されており、移行には相当な工数が必要ですが、対応できるSAPエンジニアが不足しているので今後の需要増加は確実でしょう。
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「SAP ERP 6.0 Ehp6」以上のバージョンの場合ですと、オプションの延長保守サービスで2030年末まで提供されます。
上記のような理由で今後も需要は高く将来性は明るいSAPエンジニアですが、次では、SAPエンジニアとして働くメリットやデメリットについても見ていきましょう。
SAPエンジニアとして働くメリット・デメリット
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SAPエンジニアとして働くメリット・デメリットについて僕の経験も交えてまとめました。
SAPエンジニアとして課題を洗い出すためにはその業務について詳しく知る必要があり、実際に経理や人事給与、管理業務で手を動かすことでしか見えてこないものは案外多いです。
この経験を積むことで、どんどん利用者の立場になってモノを考えられるようになります。
また業務では、部署の垣根なくさまざまな人の意見を聞いて調整をしていくため、これらの経験はその後のキャリア形成でとても役立つものとなりました。
反対にデメリットと感じたのは、ゴリゴリとコードを書くようなITエンジニアを目指す人にとってはそういった実務経験を積みにくいことです。
そうなるとプライベートな時間を使って自分で勉強する必要があるのですが、僕のおすすめは簡単な個人開発をして技術ブログなどでアップをしていくことです。
個人開発をするメリットや具体的な始め方について詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。
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大きなプロジェクトに携われるのは実務経験としては良い経験なんだけど、動く金額も多いからそれなりにプレッシャーもあるね・・
ウリがJD Edwards(ERP)を運用していた時の話
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僕はSAPを動かした経験はないのですが、Oracle社のERPであるJD Edwardsを運用したことがあります。
ウリの実体験 〜業務 or システムどちらに合わせるか問題〜
当時の僕は、おもに経理部門・財務部門が利用する業務システムの運用やユーザーサポートなどを担当していました。
ERPは大企業向けで汎用的に利用されることを前提に作られているため、痒いところには手が届かず多くの日本企業のバックオフィス部門としては非常に使いづらいシステムになっています。
僕が働いていた事業会社では、経理部門が仕訳を入力する際にエクセル上に仕訳伝票のデータを作成して、それをERPの伝票入力処理にインポートするというとてもいびつな運用をしていました。
さらに、人事給与システムは別のパッケージを使っており、給与計算の仕訳は人事給与パッケージからデータ連携処理用のジョブ(ASTERIA)で加工したものをERPに連携して給与仕訳を作っていました。
なぜ、ERPを導入しているのに別のシステムを使っているかと言うと
- 利用しているERPでは業務担当が給与計算処理を行うための機能が足りない
- それをアドオンとして作る場合とてつもない金額になってしまう
という理由からでしたね。
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給与計算の仕訳ひとつとってもそのまま連携されないのは、作業者の立場で言うとかなりストレスが溜まるな・・
ちなみに、このようないびつな運用をしている会社は非常に多いです。
たとえば、会計だけの機能のためにERPを利用するとしても、導入費用と同等のアドオン(カスタマイズ)費用がかかるケースが少なくありません。
本来は業務をERPに合わせるべきではあるのですが、業務担当者のリテラシーに合わせると結局は多額のアドオン費用をかけてシステムを業務に合わせるということになりがちです。
・・正直、なんのためのERPなのかと思ってしまうところはあります。
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いくら効率化を求めてシステム導入をしても、その方面に明るい経営陣が仕切って進めないと結局は業務にシステムを合わせがちです。
昨今ではfreeeやマネーフォワード、バクラクやSmartHRなど、多くのサービスがAPI経由で簡単にデータ連携ができてしまうため、個人的にはわざわざERPを導入するメリットはないと考えざるを得ません。
とはいえ、大企業ではそれなりにSAPを含む大手のERPを利用しているケースは多いため、SAPエンジニアとしてのキャリア自体は中長期的に食いっぱぐれない選択肢ではあります。
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企業がERPを導入する際の課題はいろいろあるけれど、キャリア形成的にはSAPエンジニアの需要は高いので目指すには良いってことかな。
SAPエンジニアになるキャリアパス
記事の冒頭でもお伝えしたように、SAPエンジニアの存在はXやYouTubeなどを通して知名度が上がっており志望者は増えている状態です。
しかし、いざ未経験からSAPエンジニアになりたい!と思ったとしても
- 書籍や学習コンテンツが少ない
- (希少なので)身近になかなかメンターがいない
- (きっかけが少なく)実務経験積みにくい
といった現状があります。
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SAPエンジニアになるための方法ってないのかな?
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大丈夫です、安心してください。未経験からSAPエンジニアを目指す際のキャリアパスについてお伝えしますね。
未経験である程度ITエンジニアとしての基礎学習をしている人の場合
- SAP案件を抱えるSIer/SESに就職・転職
- 事業会社の業務部門やパッケージベンダーに転職
- ITコンサルタントに転職
このあたりの流れでキャリアを積むのが、おすすめできる方法です。
現時点ですでに会計や人事給与などのドメイン知識があれば、いきなり事業会社の業務担当としてSAPの運用に関わるのも良いでしょう。
SAP案件を抱えるSIer/SESや事業会社を、情報収集しながら自分ひとりの力で探すのは簡単ではありません。
また、SAPエンジニアの経験を活かしてSAPコンサルタントとして働けるかなどは、その業界に精通している人に相談するのがいちばんです。
そんな時はJACリクルートメントなどの転職エージェントを活用して効率よく進めるのが良いでしょう。
JACリクルートメントの評価や口コミ、使ってみた所感の詳細を知りたい方はこちらを確認してください。
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まとめ|SAPの実績を積むのは有効なキャリア戦略!
これまで未経験者がITエンジニアになるためにSAPエンジニアになる戦略について、SAPの概要や待遇、SAPエンジニアとして働くメリット・デメリット、キャリアパスや僕の体験について解説しました。
SAPエンジニアとして働くメリット・デメリットとしては下記があります。
また、未経験からSAPエンジニアになるためのキャリアパスとしては
- SAP案件を抱えるSIer/SESに就職・転職
- 事業会社の業務部門やパッケージベンダーに転職
- ITコンサルタントに転職
数字の小さいものから順にトライをしていって、キャリアを積んでいくのがおすすめです。
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