必要な情報にアクセスしたい場合のコツってあるのかな?
IT業界は技術革新が目覚ましく、つい先日まで主流だった技術やスキルが数か月で新しいトレンドに取って代わるのは決して珍しいことではありません。
ITエンジニアが情報にアクセスしようとする際は
- 書籍
- 雑誌
- IT系Webサイト
- Qiita
- 技術ブログ
- XほかSNS
など、さまざまな情報ソースが存在します。
玉石混交の情報ソースの中から、ITエンジニアが技術的な情報に触れる際に留意しておかないといけないことのひとつとして情報の鮮度があります。
書籍や雑誌の情報はもちろん、昨今ではネット上の記事や投稿についてもいつ更新された情報なのか、記事ソースがいつ頃のものなのかをきちんと確認しておかないといけません。
情報ソースによって情報の鮮度に差があるのか。今まであまり意識をして情報を取ったことがなかったな・・
この記事では、情報ソースの特性を理解するために情報ソースを精査されるものとしないものに分けてそれぞれの特徴や情報にアクセスする際のコツや注意点について解説します。
ぜひ情報にアクセスする際の参考にしてくださいね。
情報ソースの特性を理解する
ITエンジニアが情報にアクセスする場合には、情報の鮮度に留意することが必要です。
情報の鮮度は、その情報ソースによって特徴があるので理解する必要があります。
情報を精査(第三者チェック)されているかいないかという観点で、下記のように整理してみました。
精査されているもの | 精査されていないもの | |
具体的な情報ソースの一例 | 書籍、雑誌、IT系Webサイト | Qiitaなどプラットフォーム、 技術ブログ、X |
メリット | 質は高め 普遍的なスキルを学ぶには良い | リリースが早い(速報性) マイナーな情報もある |
デメリット | リリースに時間を要する 需要のあるものから発信しがち | 質は個人の裁量に委ねられる 正確性を自身で判断する必要アリ |
精査されているか否かそれぞれでメリット・デメリットがあるんだな。
ソースごとのそれぞれの特徴について、もう少し詳しく見ていきましょう。
精査されている情報ソース
まずは、精査されている情報ソースについてそれぞれの特徴をまとめてみました。
書籍
技術的な知識を身につける際、もっとも信頼できる情報源のひとつが書籍です。
出版社による厳密な編集プロセスを経ているため内容の正確性が高く、体系的に学習できる特徴があります。
特に、オライリー・ジャパンや技術評論社などの専門出版社から刊行される書籍は、IT業界内での評価も高く確かな情報源として重宝されています。
ただし、書籍には企画から出版までに時間が掛かってリリースが遅れる点はデメリットです。
さらに、海外の技術書の場合は翻訳に時間を要するので、最新の技術トレンドを追うには適していない場合もあるので注意しましょう。
そのため、書籍ではすでに確立された技術や基礎知識の習得に活用することをおすすめします。
また、各出版社の新刊情報をチェックすることで、今注目を集める技術トレンドを把握することもできます。
信頼できる技術書専門の出版社からの書籍を選ぶことで、より確実な知識を得ることができるでしょう。
雑誌
技術系の雑誌は書籍よりも素早く最新情報やトレンドを提供できるソースとして重要な役割を果たしており、Web + DB Pressなどのといった専門雑誌は現場のITエンジニアにとって貴重な情報源となっています。
そのほか技術評論社だと、OSやWeb、プログラミング、技術者のスキルアップの総合誌として知られるSoftware Designがおすすめだね。
デジタル化が進む中でも技術雑誌が支持され続けている理由は、編集部による厳選された情報提供にあります。
特に特集記事では資料や画像も用いてその時々の技術トレンドを深く掘り下げて解説しているので、実務に役立つ知識をわかりやすく得ることができるでしょう。
また、雑誌には第一線で活躍する技術者による寄稿も多く掲載されており、現場での実践的な知見を学ぶことができる点も魅力です。
それに加えて定期的に発行されるため、継続的な学習にも適していると言えるでしょう。
IT系Webサイト
精査されているものの中で最新の技術動向をいち早くキャッチアップするなら、IT系Webサイトがもっともおすすめです。
などの専門サイトでは、技術のトレンドや最新情報をタイムリーに発信しています。
これらのサイトの特徴は、専門家による記事の査読や編集プロセスを経ているという点にあるので、単なるブログ記事とは異なり情報の信頼性が担保されていることです。
また、RSSフィードやメールマガジンを利用することで、効率的に情報をキャッチアップすることができます。
ただし、情報の更新頻度が高いため、本当に必要な情報を見極める目も必要となってくるでしょう。
実際に活用する場合は、複数のIT系Webサイトを情報源として内容確認するのがおすすめです。
精査されているものの概要が理解できたところで、次では精査されていない情報ソースの特徴についてそれぞれ解説します。
精査されていない情報ソース
精査されていない情報というのは、より一次情報に近いもので個人で発信した情報がそのまま読者に届くのが特徴です。
あと、マイナーでニッチだけど重要な技術トピックについては、なかなか書籍や雑誌、IT系Webサイトでも取り上げてくれないんだよね。
そういった情報は全体で見たときにあまり需要がないので、書籍や雑誌、IT系Webサイトの場合は後回しにされやすいんですよ。
このようにマイナーでニッチだけど重要な技術トピックについても、積極的に精査されていない情報から収集していく必要があります。
そのほか、精査されていない情報ソースの特徴について一緒に見ていきましょう。
QiitaやZennなど情報共有コミュニティ
プログラミング知識を共有する場所として、QiitaやZennはITエンジニアの中で重要な存在となっています。
記事の投稿が手軽で簡単にできてMarkdownやコードの表示にも対応しており、ITエンジニアにとって使いやすい環境が整っているのが特徴です。
投稿者は自身の知識や経験を気軽にシェアでき、読者は興味のある技術に関する記事をタグやキーワード検索で簡単に見つけることができます。
それに加えて「いいね」機能やフォロー機能によって、コミュニティとしての一体感が生まれやすいのも魅力ですね。
ただし、投稿内容の正確性は投稿者に委ねられているため、情報の取捨選択が必要です。
コメント欄に書かれている指摘や議論を確認したり複数の記事を読み比べたりすることで、より確かな情報を得ることができるでしょう。
技術ブログ
技術ブログは、企業が発信するものと個人が運営するものに大きく分かれています。
企業の技術ブログでは、実際の開発現場での課題解決方法や採用している技術スタックについての詳しい解説を見つけることができるのが強みです。
個人の技術ブログは、執筆者の経験や知見に基づいた一次情報が得られる一方で情報の質にばらつきがあることは否めません。
しかし、特定の技術領域に特化したブログの中には、公式ドキュメントよりも実践的で役立つ情報を提供しているものも多いです。
最近では、開発手法やチーム運営、UXデザインなど技術面以外のトピックを扱う記事も増えてきており、エンジニアとしての総合的なスキルアップに活用できる情報源となっています。
技術ブログはスキルアップにも良いらしいけど実際にはどうなのかな?
ITエンジニアが技術ブログを始めるメリットや具体的な方法について詳細を知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
XなどのSNS
エンジニアの情報収集手段として、Xやその他のSNSも重要な役割を果たしています。
第一線で活躍する優秀なITエンジニアの発信を追うことで、最新の技術トレンドやキャリアについての考え方など幅広い知見を得ることができるのが特徴です。
特にXでは技術記事のシェアが活発で注目記事や有益な情報にすばやくアクセスできますし、技術イベントの情報やコミュニティの動向などもリアルタイムで把握することができます。
ただし、SNSでの情報は即時性が重視される反面、必ずしも十分な検証を経ていない場合もあります。
そのため、重要な判断を行う際は公式ドキュメントや信頼できる情報源で内容を確認することがおすすめです。
ITエンジニアがXを活用するメリットは枚挙にいとまがありません。
Xを活用するメリットや具体的な始め方についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
最新情報にアクセスする際のコツ
情報ソースごとの特性を理解したところで、こちらではITエンジニアが最新情報にアクセスする際のコツについて下記にいくつかまとめました。
更新1年前後くらいを目処に
僕の個人的な考えとしては、書籍やネット記事ともに直近で1年以内に発行・更新されたものであるか確認しておくと良いでしょう。
また、オライリー・ジャパンのような書籍の日本語版のものについては、英語版が発行されてからしばらく時間が経ってから日本語版が出版されているため、その点も考慮する必要があります。
リリースまでの時間を考えるとさらに新しい情報が出ている可能性もあるので、IT系Webサイトなど複数の情報ソースで確認するのがいいな。
生成AIを利用時にも情報鮮度を意識する
ここ1、2年くらいで劇的に精度が高まった生成AIの各種サービスですが、情報精度は高いものの常に最新情報をアウトプットしてくれる保証はありません。
たとえば2024年の12月時点で、ChatGPT(GPT-4o)、Claude(Claude 3.5 Sonnet)にアウトプットに利用しているトレーニングデータの鮮度を確認すると
- ChatGPT:2023年10月時点
- Claude:2024年4月時点
という回答が返ってきます。
あまり意識していなかったけど、思いの外タイムラグがあるな・・
もちろん、情報鮮度にそこまで影響されない質問に対してはかなり信憑性の高い回答を出してくれます。
しかし、ITエンジニアが開発に利用するライブラリで比較的直近で更新されているようなものについては、その点のアップデートは反映されないことを前提に質問する必要があるので注意しましょう。
公式ドキュメントやXを活用する
それでは、肝心の最新情報についてはどのようにキャッチアップすれば良いのでしょうか。
いちばん信頼できる情報は、もちろん公式のドキュメントです。
そのサービスのGitHubリポジトリや公式Xアカウントから発信されるものがもっとも最新情報を反映しているため、専門分野についてはきちんと追っておいた方が良いでしょう。
また、さまざまな技術分野においては、誰かしらその専門分野に詳しい人がいてその人はXで常に最新の情報を発信してくれているため、そのような人を何人かフォローしておくのがおすすめです。
やっぱり複数の情報ソースで確認するのがおすすめなのかな。
精査されていない情報を扱う際の注意点
先述したように精査されていない情報のデメリットは、質は個人の裁量に委ねられるので正確性は自身で判断する必要があることです。
上記以外でも特に、精査されていない情報を扱う際に注意してほしい点がいくつかあったので下記にまとめました。
記事の日時に注意する
もともとIT業界では常に新しい情報が生まれるため知識のアップデートは欠かせないのですが、昨今のテクノロジーの進化がさらに拍車をかけてスピードが増しています。
AWSやGoogle Cloudなどのパブリッククラウドサービスでは次々と新しいサービスが生まれ、また既存のサービスについても1年も経てばUIが変わっていることも少なくありません。
そのため、技術ブログなどで書かれている作業手順が気があっという間にもう使えない状況になってしまうことがしばしば起きます。
俺も同じ体験をしたことが何度かあって焦ったことがあるな・・
1年くらい前の情報なら問題ないことも多いのですが、3年から5年以上前の記事だと画面が違いすぎて参考にならないこともよくあるので注意しましょう。
そのまま鵜呑みにせず内容検証する
Qiitaやブログ記事、XなどのSNSの投稿には不正確な情報が含まれている可能性があるため、複数の信頼できる情報ソースで内容を確認して事実関係を照らし合わせることをおすすめします。
特に、公式ドキュメントやXの公式アカウントなど信頼性の高い情報ソースにあたることで、より確かな情報を得ることができるでしょう。
情報ソースの信頼性を高めるために、発信者の属性や専門性まで確認ができるとより良いですね。
翻訳記事は原文も確認する
海外からの情報を日本語で読む際は、翻訳者の解釈や翻訳ツールの精度によって本来の意味が正しく伝わっていない可能性があるため正確性に注意を払いましょう。
特に専門用語などは直訳では誤解を招くことがあるため、可能な限り原文にあたり文脈を理解した上で情報を受け取ることが大切です。
翻訳記事は要約や省略が行われていることもあるから、重要な情報を見落とさないように原文全体に目を通した方がいいかも。
まとめ|各情報ソースの鮮度に注意して情報収集しよう!
これまで、情報ソースで鮮度が異なることや精査されている情報とそうでないものの特徴、最新情報にアクセスするコツや精査されていない情報を扱う際の注意点について解説しました。
ITエンジニアが情報にアクセスする場合には、情報の鮮度に留意することが必要なので、その情報ソースごとの特徴を理解しなければいけません。
情報を精査(第三者チェック)されているかいないかという観点で、下記のように整理しました。
精査されているもの | 精査されていないもの | |
具体的な情報ソースの一例 | 書籍、雑誌、IT系Webサイト | Qiitaなどプラットフォーム、 技術ブログ、X |
メリット | 質は高め 普遍的なスキルを学ぶには良い | リリースが早い(速報性) マイナーな情報もある |
デメリット | リリースに時間を要する 需要のあるものから発信しがち | 質は個人の裁量に委ねられる 正確性を自身で判断する必要アリ |
この特性を理解した上で最新情報にアクセスする際のコツとしては
などのポイントを理解することです。
いちばん信頼できる情報は公式のドキュメントなので、そのサービスのGitHubリポジトリや公式Xアカウントは確認しておきましょう。
また、精査されていない情報には速報性があるものの、質は個人の裁量に委ねられるので正確性は自身で判断する必要しなければいけません。
そんな時に注意すべき点は下記となります。
今の時代、ITエンジニアが情報収集をしていくにはXの活用が必要不可欠です。
Xを活用するメリットや具体的な始め方について詳細を知りたい方は、こちらの記事をチェックしてください。