ITエンジニアになるにはゲーム開発から入る選択肢もあるの？
ITエンジニアと目指す！とひと言でいっても、プログラマーやサーバーエンジニア、営業、コンサルタントなどさまざまな分野があります。
その中には、ゲームの開発を行うゲーム開発エンジニア、という仕事があります。
今ではスマートフォン向けのゲームアプリなどが普及しているので
空き時間を潰そうと思ったら、いつも間にかこんな時間まで・・
と言った具合にのめり込んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、エンジニアを目指す際に考えるキャリアのひとつとして、未経験からゲーム開発エンジニアを目指すために業界の概要なその具体的な方法について解説します。
ゲーム開発に興味を持っている方は、転職をする際の戦略のひとつとして参考にしてみてくださいね。
ゲーム開発に必要なスキル
ゲーム開発にはさまざまなスキルが必要となり、役割ごとに求められるスキルが異なります。
まずは、それぞれの主要な役割ごとに必要なスキルをまとめましたので、一緒に見ていきましょう。
ゲーム開発に必要なスキル一覧
1.プログラミング
ゲームの基盤となるシステムを作るためのスキルです。
必要なスキル
- 言語：C++, C#, Python, JavaScriptなど
- ゲームエンジン：Unity, Unreal Engine, Godotなど
- アルゴリズムとデータ構造：効率的なコードを書くために必要
- 物理演算：キャラクターの動きや衝突判定を扱う
- ネットワーク：マルチプレイヤーゲーム開発
- AI：NPCの行動パターンや敵キャラの知能
2. グラフィックデザイン
ゲームのビジュアルを制作するスキルです。
必要なスキル
- 2Dデザイン：Photoshop, Illustrator
- 3Dモデリング：Blender, Maya, 3ds Max
- テクスチャ・シェーダー：Substance Painter, Unity Shader Graph
- アニメーション：Spine, Live2D, 3ds Max, Blender
3. サウンドデザイン
ゲームの音楽や効果音を作るスキルです。
必要なスキル
- 作曲：Logic Pro, FL Studio, Ableton Live
- 効果音制作：Audacity, Wwise, FMOD
- 音声編集：Pro Tools, Adobe Audition
4. シナリオ・ゲームデザイン
ゲームのストーリーやルールを考えるスキルです。
必要なスキル
- ストーリーテリング：小説や映画脚本の知識
- レベルデザイン：Unity, Unreal Engineのレベルエディタ
- UI/UXデザイン：ユーザーが直感的に遊べる仕組み
- バランス調整：ゲームの難易度や報酬システム設計
5. テスト・デバッグ
ゲームの品質を向上させるスキルです。
必要なスキル
- バグ修正：デバッグツールの使用（Unity Debug.Log, UE4 Visual Logger）
- パフォーマンス最適化：フレームレート向上のための技術
- ユーザーテスト：プレイヤーのフィードバックを分析
へーっ。ゲームエンジニアと言っても、グラフィックやサウンドデザインにシナリオ・ゲームデザインとかいろいろあるんだな・・
Webエンジニアとゲーム開発エンジニアの違い
Webエンジニアとゲーム開発エンジニアってやっているコトって似ているの？
こういったことを業界の外の方からしばしば聞くことがあります。
しかし、一般的なITエンジニアとしてWebアプリケーションなどを開発するのとゲーム開発エンジニアとしてゲーム開発を行う場合では、必要とされるスキルセットが異なります。
両者はまったく別ものというわけではなく共通する部分も多くあるのですが、ある程度違いがあることは事前に知っておくと良いでしょう。
以下に、Webエンジニアとゲーム開発エンジニアで異なるポイントをまとめましたので参考にしてみてください。
Webエンジニアとゲーム開発エンジニアの異なる点
1. おもな開発対象と分野の違い
Webエンジニア
| 開発対象 | Webサイト、Webアプリケーション、API、ECサイトなど |
| 分野 | フロントエンド（HTML/CSS/JavaScriptなど）、バックエンド（PHP、Python、Ruby、Node.jsなど）、インフラ（クラウド、データベース） |
| 目的 | 情報提供、業務効率化、ビジネス推進など |
ゲーム開発エンジニア
| 開発対象 | スマホゲーム(Android, iOS)、PCゲーム、VRゲーム、ARゲームなど |
| 分野 | ゲームエンジン（Unity、Unreal Engineなど）、グラフィック（3D/2D）、物理エンジン、AI（ゲーム内の敵やキャラクター制御） |
| 目的 | エンターテインメント、ユーザー体験の向上 |
2. 使用する技術や言語の違い
Webエンジニア
| フロントエンド | HTML、CSS、JavaScript（React、Vue、Angularなど） |
| バックエンド | Python（Django、Flask）、PHP（Laravel）、Ruby（Ruby on Rails）、Node.jsなど |
| インフラ・DB | AWS、GCP、MySQL、PostgreSQL、MongoDBなど |
ゲーム開発エンジニア
| ゲームエンジン | Unity（C#）、Unreal Engine（C++）、Godot（GDScript）など |
| グラフィックス | OpenGL、DirectX、Vulkan、Shader（HLSL、GLSL） |
| 物理演算 | PhysX、Havokなど |
3. 求められるスキルの違い
Webエンジニア
- UI/UXデザイン、API設計、レスポンシブデザイン、セキュリティ、パフォーマンス最適化など
- チーム開発（Git、CI/CD）、データベース設計、SEO対策
ゲーム開発エンジニア
- ゲームロジック設計、リアルタイムレンダリング、3D/2Dアニメーション制御
- 数学（線形代数、ベクトル、行列）、物理演算、サウンド制御、ゲームAI
4. 仕事の進め方の違い
Webエンジニア
- ユーザーのニーズや業務要件に基づいた機能開発や改善
- アジャイル開発やスクラム開発が多い
ゲーム開発エンジニア
- ゲームデザインや演出、プレイヤー体験を重視した開発
- アートチームやサウンドチームとの連携が重要
5. 求められる成果の違い
Webエンジニア
- 機能性・ユーザビリティ・安定性が重視される
ゲーム開発エンジニア
- 面白さ・没入感・エンターテイメント性が重視される
一見似ているけど内容を細かく見ていくと、身に付けるべきスキルや仕事の進め方、求められる成果も違ってくるんだな。
いきなりゲーム開発エンジニアになるのはハードル高め
ゲーム開発エンジニアになるためのスキルや概要についてわかったところで
で、実際に未経験からゲーム開発エンジニアにはなれるの？
と気になる方は多いと思いますが・・・
結論を先にお伝えすると、いきなりゲーム開発エンジニアになるのはなかなかハードルが高いです。
関連するスキルや実績がないとなかなか難しい
ゲーム開発の世界ではスキルと実績が重要な評価基準となっており、とくに大手ゲーム企業では多くの応募者が殺到するため、プログラミングの実務経験がない方の採用はかなりハードルが高いのが現状です。
その理由の大きなものとしては、採用時に重視される「ポートフォリオ」について実務経験のない場合に充実したポートフォリオを用意するのは簡単ではないからです。
とくに20代の未経験者の場合、学生時代のプロジェクトや個人開発の作品しか提示できないことが多く、採用担当者を納得させられるレベルの内容を準備するのは容易ではないでしょう。
そのため、いきなりゲーム開発の現場に飛び込むのではなく、まずは関連する技術力を身に付けながら、少しずつポートフォリオを充実させていく方法をおすすめします。
そうだよな、そんなに甘い世界ではないよな・・
やはり未経験からITエンジニアになる場合は、それなりに戦略を立てたり準備する必要はありますね。
また、それと合わせて未経験からゲーム開発エンジニアになる前に知っておきたいのが、ゲーム業界で働くとはどういうことなのか、すなわち現状を知ることです。
知ったおきたいゲーム業界の現状
スマホゲームの普及などもあり今後もますます市場が活発になりそうなゲーム業界ですが、その現状がどうなのか気になる方は多いのではないでしょうか。
こちらでは、ゲーム業界の魅力や将来性、その一方で大変な部分についてポイントをまとめて解説します。
ゲーム業界の魅力、その将来性
ゲーム業界でまず注目したいのが自由度の高い働き方で、多くの企業では服装や髪型に制限が少なくフレックスタイム制を導入している会社も増えています。
これによって自分のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。
また、市場の成長性も大きな魅力で、ファミ通.comによると2023年の国内ゲーム市場は2兆円を超えており、とくにスマートフォンゲームの分野が著しい成長を見せています。
加えて、基本プレイ無料のゲーム内課金モデルが定着して新しいビジネスモデルも次々と生まれています。
その中でも何より、自分が携わったゲームがヒットした時の達成感は格別です。
プレイヤーから直接フィードバックをもらえる機会も多く、自分の作品が多くの人に楽しまれている実感を得られるのも、この業界ならではの歓びと言えるでしょう。
たしかに、自分の作品が世に出て評価を受ける＝認められるって感覚は普通に生きているとなかなか味わえるようなものではないよな・・
ゲーム業界のシビアな部分
ゲーム業界で働く上でもっとも大きな課題は、ヒット作の不確実性です。
膨大な数の新作がリリースされる中で市場での競争は非常に激しくなっており、どんなに優れたゲームでもタイミングや運の要素も大きく影響するため、安定した成功を収めることは容易ではありません。
また、開発スケジュールはとても厳しいものになることが多く、とくに発売直前には残業が増えたり休日出勤が必要になったりすることもあります。
もちろん、ワークライフバランスを重視する企業も増えていますが、締切に追われる期間は避けられません。
仕事とプライベートを分けたい方や家族や友人との時間を大切にしたい方は、この業界特有の働き方についてよく考えてみる必要があるでしょう。
この辺りのシビアな面を理解してから業界に入らないと、入社してから想像と違う！と言ったことになりかねないので注意が必要です。
ゲーム開発エンジニアになるには何から始めれば良いか
ゲーム開発エンジニアの現状にも触れたところで、実際に未経験からゲーム開発エンジニアになるには何から始めれば良いのでしょうか。
先述したように、未経験からゲームエンジニアになるには戦略や準備が必要です。
ここではその準備するモノやコトについて解説します。
自分の適性を活かせる職種を見つける
ゲーム業界への第一歩として、まずは自分の強みを活かせる職種を見極めることが大切です。
たとえば、プログラミングの経験がある方はゲームプログラマーとして、C++やJavaScriptなどの言語スキルを活かすことができます。
また、プロジェクトマネジメントの経験がある方はゲームプランナーとして活躍する可能性があるでしょう。
未経験からでも挑戦しやすい職種としてはデバッガーがおすすめで、デバッガーはゲームをテストプレイして不具合を見つける仕事なので専門的なスキルがなくてもチャレンジ可能です。
さらに、ゲーム制作以外にもマーケティングや営業職などこれまでのキャリアを活かせる道もあるので、自分の経験とスキルを整理して最適な職種を探していきましょう。
自分の適性を見つつ、まずはその業界に入ってそこからキャリアアップするという戦略も考え方としてアリだな・・
必要な基礎知識を学習する
ネット上にゲーム開発系の情報はあるものの、Webエンジニア向けのものと比べると情報量が多くありません。
そのため、有料のオンラインコンテンツや書籍を中心に情報収集するのが良いでしょう。
基本的にはよく使われているゲーム開発エンジンのUnityと、ゲーム開発によく利用されるプログラミング言語であるC#を利用して開発することになります。
そのため、これらの基本的な知識を習得できるコンテンツを選んで、実際に手を動かしてゲーム開発のイメージを持つのがおすすめです。
Udemy
Udemyには非常にたくさんのコンテンツがあります。
おもにUnityとUnreal Engineのコースに分かれていますが、初めてゲームを作る人であればUnityで作ることをおすすめします。
Unreal Engineは高度な3Dゲーム開発向けなんですよね・・
上記のコースから、2Dゲーム開発に関する基本的な内容の学習コンテンツで基本を学ぶのが良いでしょう。
コースの最終更新日が古いもの（大体2年以上前）についてはUnityのバージョンが大幅に古かったりするため、なるべく最終更新日が1年以内のものを選ぶのがおすすめです。
ZEN Study
プログラミングコース内には、Webプログラミング学習のコース以外にも以下のようなコンテンツがあります。
YouTubeコンテンツ
ニッチな分野のチャンネルにもかかわらず、チャンネル登録者数76万人の人気チャンネルです。
星のカービィや大乱闘スマッシュブラザーズ（スマブラ）のディレクターであるゲームクリエイター桜井政博氏が、「これから出るゲームの未来を少しだけ底上げすること」を目的に作りました。
ゲーム作りのノウハウなどをわかりやすく説明されていて、普通に動画コンテンツとしても楽しく観れるよ。
ポートフォリオを作成する
転職活動を成功させるためには、自分の能力を効果的にアピールできるポートフォリオの作成が欠かせません。
応募する職種に合わせてこれまでの成果物や実績を厳選し、作品数は多すぎず少なすぎず2〜3ページ程度にまとめるのが理想的です。
また、各作品については開発に使用したツールや技術はもちろん、制作時に工夫した点や苦労した点なども具体的に記載しましょう。
未経験者の場合は、これまでの業務経験の中でゲーム開発に活かせそうなスキルを丁寧に説明し、業界で活躍したいという意欲も伝えていくことがポイントになります。
ポートフォリオは一気に作成しようと思うと時間がかかるので、日頃から少しずつ進めておくと良いでしょう。
職務経歴書を作成する場合は、notionを使って公開するのがおすすめです。
詳細をもっと知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。
転職エージェントを活用する
ゲーム業界への転職では、ギークリー
などの専門的な転職エージェントを利用することで、より多くのチャンスを掴むことができます。
業界に特化したエージェントは一般に公開されていない求人情報も多く保有しているため、希望に合った職場を見つけやすいでしょう。
また、経験豊富なキャリアアドバイザーが履歴書の作成から面接対策まできめ細かなサポートしてくれるので、効率的な転職活動が可能になるでしょう。
まとめ｜ゲーム開発エンジニアになるには戦略が必要
これまで未経験からゲーム開発エンジニアになるために、ゲーム開発に必要なスキルや現状、実際に何から始めれば良いのかについて具体的に解説してきました。
一足飛びにいきなりゲーム開発エンジニアになるのは難しいので、いきなりゲーム開発の現場に飛び込むのではなく、まずは関連する技術力を身に付けながら、少しずつポートフォリオを充実させていくのがおすすめです。
そのための具体的なステップとしては
このような順番で進めていくとスムーズに進められるでしょう。
ただ、自分の適性を見定めたりポートフォリオをひとりで作っていくのはなかなか骨が折れます。
そんな時はギークリー
などの転職エージェントを活用して、効率良く進めていくのがおすすめです。
ギークリー
の実績や無料登録からの流れなど、詳細をもっと知りたい場合は下記ボタンよりご確認ください。
＼ IT・Web・ゲーム界に特化した転職エージェント／